北白川派、隠岐ノ島に渡る!

去る7月13日、北白川派のメンバーは一部の学生を置いて隠岐ノ島へと渡った……。

こんな冒頭から始まると、まるで罪を犯した学生運動のメンバーが逃亡でもしたのかと思われそうだ。そこでまずは、“北白川派”を知らない方々の為にこの「北白川派映画芸術運動」について少しだけ説明しておかなければならないだろう。

北白川派とは、そもそも今は亡き木村威夫教授(美術監督)と林海象学科長(映画監督)との間で、学生と職人(映画スタッフ)が共に一つの作品を作れる場所を、この北白川の地に作ろうと会談したのがきっかけとなって生まれた『映画製作プロジェクト』です。

映画製作に加わる学生たちは、本学科教員であるプロのスタッフの下につき、授業では学べないあらゆることを教わる、言わば、学内インターンシップなのです。

第一弾は、木村威夫先生が自らメガホンを取り、原田芳雄さん、松坂慶子さんらを迎えて「黄金花」という作品を撮りました。翌年には、高橋伴明監督が学生であった和間千尋さんの脚本『MADE IN JAPANこらッ!』を映画化し、一人のシナリオライターを誕生させました。

そして第三弾となる今年は、山本起也監督がやはり卒業生の原作を下に『カミハテ商店』なる作品を来年2月中旬より隠岐ノ島―海士町を舞台に製作しようとしています。
早春から、参加希望学生らシナリオを作り始め、準備を重ね、そしてようやく今回の隠岐ノ島でのロケハンへと漕ぎ着けました。

この隠岐ノ島でのロケを具体化するまでに、本学理事長、専務理事、そして海士町 山内町長や澤田副町長の多大なるご尽力を頂きました。
隠岐ノ島はそもそも理事長の生まれ故郷でもあります。その自然の雄大さと島民の優しさ、温かさは、まさに今回の映画「カミハテ商店」にはぴったりの場所なのです。

前置きが長くなりましたが、この見出しタイトル、「北白川派、隠岐ノ島に渡る!」とは、今回学生らと初めてロケハンで隠岐ノ島へ渡ったという意味なのです。
隠岐ノ島
メインロケハンとなる物語の断崖は、かつては観光名勝であったものが今は自殺の名所と変わり果てたいわくつきの場所です。そのすぐそばで雑貨屋を営む老婆は、自殺者と思しき人間を引き止める事無く、むしろ送り出すような行動をとっていきます。そんな彼女は当然村人から相手にされず、孤独な日々を送っていたのです。
察する通り、心を閉ざす彼女には長年抱えた古傷が、しこりのように残っています。
やがてその傷が癒され再生へと向かう時、この物語も終焉を迎えるのです。
隠岐ノ島
ロケ候補となった断崖は、天から大きな手で引っ掻いたのではないかと思うほど切り立った足のすくむ場所で、放牧されている牛も毎年何頭かは滑り落ちてしまう場所でした。
我々は一目で撮影にはこの場所しかないと思いました。
学生達も想像でしかなかった場所を目の当たりにして何かを感じた事でしょう、黙々と自分達の仕事に取りかかっておりました。
秋には再びこの地を訪れる予定です。その時までにはさらに具体的な報告や「カミハテ商店」の進捗状況もお伝えできればと思います。

今回のロケで多大なご協力をくださった海士町役場の山内町長、澤田副町長、青山課長、そして本学徳山専務理事に深く感謝して今回の北白川派ロケレポートを終わります。
なお、今回のロケハンに関して、学生スタッフとして同行した真野君もレポートを書いてくれたのでここ掲載させてもらいます。

(北白川派広報)

隠岐ノ島
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映画監督コース二回生 真野 裕貴

北白川派映画芸術運動最新作「カミハテ商店」。
舞台であるサイハテの地を求め、学生スタッフの選抜隊5人と教員陣が撮影候補地‘島根県隠岐島’に乗り込んだ。

1日目は中ノ島―海士町へ。タイトルともなり、撮影中もっとも重要な撮影現場の一つとなる“カミハテ商店”の候補地二つをみて周った。
2日目はこちらも映画の中で大切な役割を持つ断崖を知夫里島―知夫村へロケハンに行った。
海士町へ戻ってきてからは、1日目に見たカミハテ候補地の採寸とその他、映画に出てくる撮影場所めぐり、3日目は町の雰囲気や細かい撮影場所を見て本土へと帰還した。

ところで、こういった地方ロケの撮影で重要となってくることがなにか、知っているだろうか。町での撮影許可をスムーズに取るにはどうしたらいいか、現場で人手や道具が足りなくなってしまった場合にどうしたらいいか、そんな疑問をぶつければ答えが出てくるだろう。

それは、島の人とのコミュニケーション、信頼・信用作りが大切なのである。
通常、地方ロケの場合一カ月ほど前から演出部などのスタッフがロケ地に入り、そこで生活をし、ロケ先の住民たちとの関係づくりをしていく。この事からも、関係作りがどれだけ大切なのかわかるだろう。

1日目から海士観光協会の課長や副町長に引率してもらい、町長や役場の皆さんにご挨拶した。
翌日には、宿泊した近所の住民や漁港の漁師さん達や商店の人々などと、日を追うごとにコミュニケーションの輪は広がり、“つながり”は生まれていった。
隠岐ノ島

僕ら映画人は、言ってしまえば余所者である。
映画を撮る前も、撮っている最中も、その後も、島の人たちには変わらない生活があり、暮らしがある、その事に十分気を配っていく事が重要なのだ。

島のことを一番知っているのも、いざというときに一番に力になってくれるのも島の人たちだ。
僕たちはそこにお邪魔し、映画を撮らせていただこうとしている。この感謝の気持ちを決して忘れず撮影に挑まなければならないと思っている。

映画は人との関係づくり―。
今回のロケハンでは映画の表にはなかなか見えてこない、それでも非常に大切なことを学んできた。

(真野 裕貴)
隠岐ノ島


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京都造形芸術大学 夏期コミュニケーション入学

2010年8月1日(日)、2日(月)
エントリー期間:2010年7月1日(木)〜22日(木)
※消印有効

詳細は、本大学ウェブサイトにてご確認ください。
http://www.kyoto-art.ac.jp/admission/
 

Filed under: 北白川派2010 — 映画学科 9:43 PM